昨年12月に国内で受けられるようになった子宮頸(けい)がんワクチンについて、医療従事者の半数近くが接種率向上へ学校での集団接種が適切としているのに対し、養護教諭のほとんどが医療機関や保健所での接種が望ましいと考えていることが、岡山大大学院グループの調査で分かった。
ワクチン接種は、任意の上に高額な自己負担がかかるのが現状。調査結果は安全確保などの面で学校側の不安の強さを示しており、普及への課題が浮き彫りとなった。
同大大学院保健学研究科の中塚幹也教授らが、昨年7月に岡山市で開かれた日本産婦人科医会のセミナーで、医療従事者127人、養護教諭207人など計527人を対象にアンケートを行った。
ワクチン接種の適切な方法・場所について、集団接種と答えたのは医療従事者が45・1%に上った一方で、養護教諭はわずか4%。養護教諭の回答は小児科(37・2%)、産婦人科(31・7%)、保健所(22・6%)の順だった。
ワクチン接種への不安は養護教諭の96・7%が「あり」と答え、うち85・4%が「副作用」を挙げた。
岡山県教委保健体育課によると、インフルエンザや麻疹(ましん)などの予防接種は1994年に国の通知で義務接種から任意の個別接種が主体となっている。
同課は「集団接種は全生徒の体調を十分把握するのが難しく、保護者も同伴しないので事故などへのリスクがある。原則、個別接種を市町村にお願いしている」と説明する。
子宮頸がんは性交渉による感染が多く、10代前半にワクチン接種するのが望ましい。中塚教授は「接種率の向上には集団接種が有効だが、難しければ医師も含めて学校での啓発を強化するなど医療と学校現場の連携が必要では」と話している。
岡山県内 集団接種なし 費用助成は6町村
子宮頸がんのワクチン接種は平均4万〜6万円(3回分)かかる。栃木県大田原市など全額を助成して集団接種を行う自治体も一部あるが、岡山県内ではまだない。
ワクチン接種費を助成している自治体は、岡山県内では6町村。中学生対象に全額補助しているのは、和気、鏡野、勝央、奈義町と新庄、西粟倉村。いずれも集団接種ではなく、無料券を配るなど医療機関での接種を促している。美咲町や久米南町でも本年度中の助成を検討している。
厚生労働省は来年度、実施市町村に費用の3分の1を助成することを検討中。「対象があまりにも多く、財政的に難しい」(倉敷市)、「ワクチン接種は国の責任で行うのが基本」(玉野市)などを理由に未実施の県内15市も、国の動向に合わせて検討する方針だ。
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